農業・食料システムにおけるデジタル化促進にかかる日ASEANシンポジウム

令和6年10月1日
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日本の農林水産省は、ASEAN事務局、ベトナム農業農村開発省(MARD)、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)と共催で、「ASEAN地域における持続可能な農業開発を促進するための農業・食料システムにおけるデジタル化促進にかかる日ASEANシンポジウム」を開催しました。シンポジウムは9月30日から10月1日の間、ベトナムのブンタウ市で開催されました。
 
ASEAN加盟国、東ティモール、日本の政府関係者、ASEAN域内外の企業、学術機関、国際機関など約50人が集まり、持続可能な農業の推進に向けた農業のデジタル化について議論しました。
 
初日は、経済協力開発機構(OECD)、ラジャラトナム国際大学院(RSiS)、ERIAによる基調講演に続き、農林水産省から日ASEANみどり協力プランと日本におけるスマート農業推進戦略が紹介されました。
 
パネルディスカッションでは、デジタルツールを活用したビジネス活動の経験を共有しました。国別プレゼンテーションでは、各国代表が農業のデジタル化に関するグッドプラクティスと課題を報告し、農業のデジタル化を推進するための政策手段を共有しました。
 
参加者は、ASEAN地域の国レベルや地域レベルでの様々な協力プロジェクトを補完する地域行動プログラムの策定が必要であるという共通の認識に至りました。このイニシアチブは、ASEANにおける持続可能な農業開発の推進において、デジタル化の潜在能力を最大限に引き出すことを目指すものです。
 
2日目は、ブンタウ市の畜産から排出されるバイオマスの活用等によるハーブ生産・養殖等に総合的に取り組むスマート農業の現地視察を行いました。また、GPSナビゲーション・システムとアプリケーションを活用し航路と時間の記録による持続可能な漁業管理の実証を行う漁港も視察しました。
  
●パネルディスカッション発表者等
モデレーター: ポール・テン教授(RSiS、シンガポール、マネージング・ディレクター兼学長)
発表者:NIEインターナショナル Pte Ltd
    Grow Asia
    Olam Agri and At Source
    株サグリ
     JAICAF(公益社団法人 国際農林業協働協会) / ADCA(一般社団法人海外農業開発コンサルタンツ協会) (灌漑水管理のためのJAIFプログラム、詳細
    IPSARD(ベトナム農業・農村開発政策研究所)
    TCSアグロテック株式会社
    新潟大学農学部 吉川夏樹教授
 
日ASEANみどり協力プラン
本計画は、2023年に開催された第1回日ASEAN農林大臣会合(AJMAF)で採択されたもので、日本の技術を活用し、経験を共有することにより、日本とASEAN諸国との協力プロジェクトを促進し、地域における強靭で持続可能な農業と食料システムの構築に貢献することを目的としています。
 
●ASEAN事務局のWEBサイト
https://asean.org/asean-japan-symposium-advances-digitalisation-for-sustainable-agriculture/
 
●農林水産省のWEBサイト
https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kanren_sesaku//241008.html