5月16日、東アジア・ASEAN経済研究センター（ERIA）は廣瀬東京電力副会長を招いて「Fukushima and its Aftermath」と題する特別講義を主催し、ASEAN日本政府代表部から小野次席公使が出席しました。

1． 小野次席公使は、冒頭あいさつにおいて、東日本大震災からの復興に向けたASEAN及びERIAメンバーの16ヶ国を含む多くの国々・国際機関による様々な形での支援に改めて感謝を述べるとともに、以下のような復興の現状について言及しつつ、来年の東京オリンピック・パラリンピック等の機会を利用し復興しつつある被災地の姿を知ってもらいと述べました。
・地震・津波で被災した地域については、生活に密着したインフラの復旧や住宅の再建はおおむね完成しており、復興は着実に進展している。
・福島県の原子力災害被災地域については、避難指示が継続されている地域はごく一部にすぎず、避難指示が解除された地域において復興・再生に向けた動きが本格的に始まっている。
・福島県における各都市と世界の各都市との間で放射線の空間線量率を比較すると、福島県の空間線量率は海外の主要都市とほぼ同水準であり、福島県の大部分では、通常の生活が営まれている。
・福島第一原子力発電所敷地内は、スーツ姿での視察が可能となるなど、放射線量の低減や廃炉に向けた着実な進展が見られる。
・食品中の放射性物質の基準については、日本は、世界で最も厳しいレベルの基準を設定して検査をしており、極めて安全である。

2． 特別講義では、廣瀬副会長より、福島第一原子力発電所の事故直後との比較を通した現在の状況や、会社として直面している課題や今後の展望、事故対応からの教訓等について、様々な実例を交えて説明がありました。

3． 特別講義の後、ERIA及び当地研究機関の研究者を交えて、パネルディスカッションが行われ、原子力発電の課題等について多角的な議論が行われるとともに会場からの質問も相次ぎました。


関係リンク先
- 東日本大震災からの復興の現状（復興庁HP）
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-1/20131029113414.html
- ERIA Hosts Special Lecture on the Fukushima Accident and Its Aftermath (ERIA HP)
http://www.eria.org/news-and-views/eria-hosts-special-lecture-on-the-fukushima-accident-and-its-aftermath/