代表部員の活動 : 一等書記官 山﨑 久路
令和6年7月3日
在外公館で働くということ一等書記官 山﨑 久路 (2021年~ 文部科学省より出向) ※以下の内容は、ASEAN日本政府代表部の立場や意見を代表するものではなく、あくまで私自身の個人的見解です。 |
![]() (趣味であるボクシング中の筆者) |
1 はじめに私は、ASEAN日本政府代表部では教育・文化・スポーツ・科学技術、併任の大使館経済部では科学技術を担当するため、2021年9月にジャカルタに赴任しました。当時のインドネシアはコロナ禍のピーク中、これから先どうなるのだろうと思いを巡らせた時期でもありました。私の業務をいくつかご紹介します。2 ASEAN日本政府代表部での業務当代表部では、「JAIF:日ASEAN統合基金 」と呼ばれる基金の下で担当分野のプロジェクトを作ることが主要な仕事の一つです。在任中に私が立ち上げたものの一つに、ASEAN10ヶ国のうちのCLMV(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)の行政官を対象とした、日本の政策研究大学院大学に留学して行政学または公共政策学の修士の学位を取得するプロジェクトがあります。2023年12月の日ASEAN特別首脳会議では、このプロジェクトが会議の成果の一つとしてプレイアップされました。内容の検討や関係者との調整など、プロジェクトの立ち上げには時間と労力がかかりましたが、やりがいと達成感が得られた瞬間でした。本プロジェクトで学位を取得した卒業生が、将来、母国で省庁の幹部になって国の発展に寄与すると同時に、日本との良好な関係を築く架け橋として活躍してくれることを願っています。3 大使館経済部での業務リスクを負ってインドネシアで頑張る日本企業を側面から支援することは、大使館の主要な役目の一つであると考えています。例えば、インドネシア政府と提携して事業を行う日本企業を応援するため、たびたび、契約を締結する記念式典などに大使に出席してもらい、応援のメッセージを発してもらう段取りをつけました。このような側面支援により、メディアに取り上げられて現地で頑張る日本企業の知名度が高まり、インドネシアはもとよりASEAN各国での活躍につながれば望外の喜びです。4 その他の業務在任中に日ASEAN友好協力50周年や日インドネシア国交樹立65周年を迎え、G20科学技術大臣会合、日ASEAN首脳会議・外相会議などの対応があったほか、天皇皇后両陛下のインドネシア御訪問、秋篠宮家のベトナム御訪問応援出張、自民党政調会長のインドネシア来訪など本当に多くの行事がありました。対応の一つ一つにかかった労力は大変なものでしたが、限られた期間にこれほど多くの行事に携わるのはまれなことであり、国家公務員として機会に恵まれたなと感じています。5 おわりに日本には日本でしかできない仕事、在外公館には在外公館でしかできない仕事があります。特に海外を相手にする場合には、意思疎通や仕事が思うように進みませんが、苦労が大きければ大きいほど達成感も大きいものになります。今後も、ここで得た経験と知見を活用し、日本と海外を上手につないでいきたいと考えています。以 上
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