代表部の活動 : 足立 真由子 一等書記官
令和5年2月3日
日ASEAN協力の舞台へ!一等書記官 足立真由子 ※以下の内容は、ASEAN日本政府代表部の立場や意見を代表するものではなく、あくまで私自身の個人的見解です。 |
![]() (AHAセンター・エグゼクティブ(ACE)プログラムの修了式で挨拶する筆者) |
1 15年ぶりに降り立ったジャカルタ約二年半前、ASEAN日本政府代表部に着任するため、娘2人を連れて単身で、スカルノ・ハッタ国際空港に降り立った時には、深夜11時を回っていました。インドネシア語専門職員として、インドネシア語を研修後は、日本での勤務が続いていましたが、ジャカルタに15年ぶりに戻ってきたことになります。湿気を帯びたしっとりした空気を感じながら深夜の空港に降り立ったとき、「これ、これ!これがインドネシア!」とインドネシア語を研修していた当時の自分に戻ったような気持ちになりました。インドネシアを含む東南アジアの10か国が加盟国であるASEAN共同体の事務局は、ジャカルタにあるため、日本政府もジャカルタに日本国政府代表部を置いています。今回、私も日本国政府代表部の書記官としての業務を担うため、ここジャカルタに赴任をしてきました。 2 日本とASEANの絆:日ASEAN統合基金(JAIF)ASEAN共同体から、日本は最も重要なパートナーの国の一つと認識されています。日本とASEANをつなぐ大きな絆の一つが、日ASEAN統合基金(JAIF)です。私がASEAN日本政府代表部で担当することになった業務の一つが、このJAIFでした。JAIFは、ASEAN共同体設立を目指し、域内格差是正を中心に統合を進めるASEANの努力を支援するために、2006年に設置された基金です。JAIFを通じて、日本はASEAN共同体の様々な活動を支援しています。特に、ASEANが2019年にインド太平洋アウトルック(AOIP)を提唱して以来、日本はAOIPに基づく4つの優先分野(海洋協力、連結性、SDGs、経済等)に沿って、JAIFを通じ、ASEANの取組を支援しています。業務を通じて、JAIFを通じたASEAN共同体への支援へのASEANからの期待の大きさを常に感じることができました。3 AHAセンターへの支援JAIFを通じた支援の一つに、ASEAN人道防災センター(AHAセンター)への支援があります。AHAセンターは、ASEAN各国の防災機関と連携し、ASEAN加盟国内での自然災害被害に対して、「One ASEAN One Response」をスローガンに、ASEANとして対応するための機能を有した地域防災センターです。AHAセンターも、ここジャカルタに本部を置き、ASEAN各国の防災職員をジャカルタに集めて研修を実施したり、また、自然災害の被災者支援のための救済物資を、マレーシア、タイ、フィリピンの備蓄倉庫に補充し、台風などの災害を受けた地域に機動的に救済物資を配布するといった活動を行っています。2022年、私はAHAセンター・エグゼクティブ(ACE)プログラムという、ASEAN各国の防災機関に所属する若手職員の約1年の研修修了式に、ASEAN日本政府代表部として参加する機会に恵まれました。その修了式で、私はASEAN10か国の防災若手職員が国を超えて一緒になって団結、連携している姿に感銘を受けました。日本が支援している防災の研修プログラムが、ASEANの中心性や一体性といった、ASEANが提唱しているAOIPの原則の体現に非常に役立っているんだと肌で感じられた瞬間でした。 4 終わりにインドネシアが議長国となる2023年は、日本とASEANは、日本ASEAN友好協力50周年を迎えます。これまで、日本とASEANが培ってきた信頼関係をさらに強固なものにしていけたらと、一担当官としての願いです。 |