石兼大使は「2015年のASEAN共同体支援におけるASEAN対話国の役割」と題する講演において、ASEANの共同体構築に向けた努力と成果を称賛しつつ、ASEANが岐路に立っていることを指摘し、ASEANが単なる10カ国の集まりとしてではなく共同体構築の真の恩恵を享受するためには、ASEANの域内外がより連結し、一体化することが必要であると述べました。また、ASEANが直面する主要な課題として連結性、中心性・一体性、各種格差(成長の格差、収入格差、保健の格差等)の3つを挙げ、対話国はこれらの分野においてASEANと調和のとれた透明性のある形で協力していく必要があると述べました。日本はASEANと対話を続けてきており、右対話に基づき、具体的な協力プロジェクトを実施してきています。石兼大使は、対話国はASEANに協力する際のルールとしてASEANの中心性と一体性を尊重する必要があるとし、ASEANの中心性とは、ASEANがアジア太平洋において様々な背景を持つパートナーと対話や協力を推進していくための英知であり、地域に競争を生じさせるブロックの形成を避けるものであると述べました。そして、ASEAN統合の成功を期待すると共に、ASEAN統合の成功は多様性が憎しみや紛争ではなくエネルギーや創造性を生み出すことを証明するものであると述べて講演を締めくくりました。 |